日本は高齢化社会を迎えていますが、特に女性の平均寿命は大きく延びています。
また、女性の閉経年齢は平均51歳で、平均寿命80歳代の現在でも閉経年齢は特に変りません。
女性にとって閉経後約30年の老年期の健康を考えると、ホルモン補充療法は単なる更年期障害の治療のみでなく、予防医学の面から重要視されています。
ホルモン補充療法とは、閉経前後に枯渇する「卵巣ホルモンを補充する療法」で、欧米ではこのホルモン補充療法を高齢女性の様々な障害の予防法として広く行われており、すでに30年以上の歴史がありますが、日本では最近になって本格的に行われるようになりました。
卵巣より分泌される女性ホルモンには、卵胞ホルモン(エストロゲン)と黄体ホルモンの2種類があり、これらのホルモンはお互いにバランスをとって働いていますが、女性が体の機能を維持するのに必要となる卵巣ホルモンは、エストロゲンだけです。
女性が閉経期になると、卵巣の働きが停止することによりエストロゲンの分泌がほとんど無くなり、更年期の症状が発症することになります。
このため、エストロゲンを始めとする女性ホルモンを外部より持続的に補充して、血中の女性ホルモン濃度を維持する治療法を「ホルモン補充療法」といいます。
しかし、エストロゲンだけを単独で投与すると子宮内膜癌(子宮体癌)の発症リスクが高くなるため、現在はエストロゲンに黄体ホルモンを併用してホルモンバランスを保ち子宮内膜癌(子宮体癌)の発症を抑える治療法が行われています。
女性の女性らしさを保っているのが卵巣から出る女性ホルモンですが、ほとんどの女性は50歳前後で閉経します。
女性ホルモンは閉経より前から少しずつ減少し始め、その影響が身体の色々なところに徐々に現われてきます。
身体への影響の現われ方は人により様々でありますが、特に自律神経失調によって起る不定愁訴症状に家庭や社会環境でのストレスが絡んで更年期障害は起こります。
更年期障害の症状はほてり、のぼせなどのホットフラッシュが代表的なもので、その症状は閉経女性の40〜80%に認められますが、ホルモン補充療法で約90%が改善されます。
更年期障害の症状は民族によりその発現状況が異なり、欧米人ではホットフラッシュが特に多く、日本では肩こり、腰痛、疲れ易いが上位を占めています。
また、更年期障害の診断には一般に、クッパーマン更年期指数や簡易更年期指数などが使用されています。
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